国のレガシーシステムに 新たな息吹を国のレガシーシステムに 新たな息吹を

#中央銀行システム #挑戦 #開発 #金融

国のレガシーシステムに
新たな息吹を

PROJECT 1国庫歳入金システムの
再構築プロジェクト

フィナンシャルテクノロジーは、経済の中枢と国家の財源を預かる中央銀行の金融情報システムを数多く手掛け、つねなる安定稼働を実現する高い品質をつくり上げてきた。しかし、どんなシステムにも寿命が訪れる。時代の環境にあった新しい技術でシステムを生まれ変わらせる必要がある。フィナンシャルテクノロジーは、中央銀行におけるレガシー更改1件目のチャレンジ案件として20年以上稼働を続けてきた、国庫歳入金システムの再構築プロジェクトに挑んだ。

政府系金融領域 | O.Y

2010年入社。経済学部卒。入社時から中央銀行の旧資金決済システムを担当。その後、中央銀行の新資金決済システム開発を経験し、2013年より国庫歳入金システムの運用管理。2016年からは、同システムの更改案件のチームリーダーとしてプロジェクトを牽引する。

フィナンシャルテクノロジーの優位性

  • ・ 高い技術と知識をもった個性的な先輩が豊富
  • ・ 困難な局面にあっても、ポジティブに考える人が多い
  • ・ 働き方、仕事のやり方の変革に積極的に取り組んでいる

課題

20年の技術ギャップを乗り越えてのマイグレーション。
入社7年目でチームリーダーに抜擢

国民や企業が納める税や社会保険料は、全国の金融機関や役所から中央銀行に集められ、国庫に収納される。年間50兆円に上る、この歳入金を扱うのが国庫歳入金システムで、国の財政において重要な役割を担うシステムのひとつだ。
「初期構築から約20年経っているレガシーシステムで、全国の金融機関や官庁とつながって複雑な業務フローを処理するので、維持・運用コストが非常に高くなっていました。これを新しい技術で再構築する、それが本プロジェクトのミッションです」
今の技術なら、やりたいことが簡単に実現できると思われがちだが、実はそうはいかない。このシステムは、全国から集められた納付書をOCRで読み取り、会計別、官庁別に集計して納付証明書を出力し、各官庁へ報告するといった非常にアナログな手続きを担っている。古いシステムの機能、品質を20年以上の技術ギャップがある新たなアーキテクト、言語、DBで実現するのは実際のところ、とてつもなく難しい。チームリーダーに抜擢されたO.Yは頭を抱えた。

取り組み

まったく未経験のアーキテクトと言語に挑戦。
“ゼロからの始まりなら、
後は伸びるしかない”と自分を奮い立たせた

「6年以上、このレガシーシステムに関わって愛着も感じていました。これまでの業務ではつねに“安定”が最優先で、“挑戦”の要素はほとんどなかったですが、今回のマイグレーションはすべてが未知なる挑戦です。新技術についてもまったく知識がなかったので、“ゼロからの始まりなら、後は伸びるしかない”とポジティブなマインドセットで自分を奮い立たせました」。
O.Yは、プロジェクトの課題をくまなく洗い出した。技術面ではO.Y自身が社内とNTTデータグループの有識者を頼り、新技術の知見を積極的に吸収していった。体制面、コスト面の課題解決には、地方ベンダーとのニアショア開発、若手中心のメンバー編成を行った。さらに、お客様を含め、各階層で定期ミーティングを設け、すべての関係者が同じ方向を向けるよう、連携強化を図っていった。
「旧システムを知っているのは私だけという中、作業平準化や試験の効率化も図ったため、お客様の協力は不可欠でした。3年間の開発で深い絆ができました」

結果

技術の進化は速い、中央銀行システム担当として
“安定”を最優先しながらも、つねに次の“挑戦”に備える

国庫に関わるシステムだけに、官庁、地方自治体、金融機関も本プロジェクトの直接的な関係者であることから、O.Yはさまざまな立場の人と打ち合わせや折衝を繰り返した。
「優秀な人が多く、相手が自分より二手三手、先を見て話しているなと感じる場面を多く経験しました。最初はプレッシャーでしたが、絶対についていこうと頑張ったことで、結果的にだいぶ成長したと思います」。2019年10月、いくつもの試練を越えて新たな国庫歳入金システムがリリース。その後も安定稼働を続けており、O.Yたちが技術ギャップを克服し、高い品質を実現したことが証明された。
「クラウドやブロックチェーンなど、金融業界でもさまざまな技術の導入が進んでいるので、今回、構築したシステムも、10年後にはレガシーと言われているかもしれません。中央銀行システム担当として“安定”を最優先しながらも、つねに次の“挑戦”の準備をしていなければと今回のプロジェクトで強く感じました」。