システムダウンがない、妥協なきシステムをこれからもシステムダウンがない、妥協なきシステムをこれからも

#中央銀行 #新資金決済システム #挑戦 #アーキテクチャ

システムダウンがない、妥協なき
システムをこれからも

PROJECT 4中央銀行の
新資金決済システム構築
プロジェクト

フィナンシャルテクノロジーは、そもそも中央銀行の決済システムを開発するために発足した会社である。1988年の稼働以来、一度のシステムダウンもなく、日本の金融経済の中枢を握るシステムを守り続けている。その歴史の中で、最大かつ最難関とされる「中央銀行の新資金決済システム構築プロジェクト」が2009年始動した。フィナンシャルテクノロジーが総力を挙げて挑んだこのプロジェクトは、2015年にリリースを遂げ、既に次なるステージへと踏み出す準備を始めている。

政府系金融領域 | K.J

2001年入社。工学部卒。入社後、政府系金融システム事業部において、中央銀行の旧資金決済システムを担当。その後、金融システム事業部で協同組合システムの構築を手掛ける。2009年より、政府系金融システム事業部に戻り、中央銀行の新資金決済システム構築プロジェクトにおいて、主にアーキテクチャ設計を担う。現職は、同システムにおけるインフラグループのプロジェクトマネージャ/ITスペシャリスト。

フィナンシャルテクノロジーの優位性

  • ・ 中央銀行における資金決済システムの安定稼働を守り続けている実績
  • ・ 高い品質を支える人財の底力
  • ・ 先を読み、変化を予測した技術研鑽の取り組み

課題

数々の“これまでにない”に挑戦した
中央銀行の新資金決済システム構築プロジェクトに参画

中央銀行の資金決済システムとは、わが国の金融決済の基幹インフラであり、その決済金額は一営業日あたり約230兆円にのぼる。1988年から稼働する旧資金決済システムは、老朽化と保守性の限界が次第に明らかになり、新資金決済システムとして刷新すべき時が近づいていた。一度も途絶えさせることなく、旧資金決済システムの安定稼働を守り続けてきたフィナンシャルテクノロジーもプロジェクトへの参画が決まり、2009年、K.JはNTTデータで発足した新資金決済システム構築プロジェクトに招集された。
新システムのアーキテクチャは、最新の情報技術を取り入れ、目まぐるしく変化する金融市場に柔軟に対応できる柔軟性を持たせる事をコンセプトとして、日本の決済インフラを担うに相応しい、世界的に例の無い先進的なものであった。このため、プロジェクトは初期の段階から課題が山積となった。
「新たなシステムは、いくつもの“これまでにない”を成功させないと実現できないものでした。私は、中央銀行の新資金決済システムに用いるアーキテクチャ設計・検証を担当しました。アーキテクチャとは、システムの基本設計の事でシステムの特性を大きく左右するとても重要な役目を担っています。新資金決済システムとして、どんなアーキテクチャが最適なのか。様々な観点から検討を重ねました。検討を重ねる毎に新たな課題が生まれてきます。」

取り組み

どんな課題があっても、品質に妥協はしない。
最後まで絶対にやり遂げるという強い気持ちと
支えあう仲間が私を成長させた。

「新資金決済システムの開発は想像以上に難航しました。連日、課題の解決に追われましたが、品質には一切妥協ができませんから、メンバーは皆、絶対に最後までやり遂げるという強い気持ちを持っていました。」
作っては試し、試しては作り、まさに試行錯誤の連続。それぞれの技術領域のスペシャリストが一堂に集まって次々と生じる課題を解決していった。
「一つの機能を作り上げるのに休日返上で会議をしたこともありました。肉体的にはきついですが、会議の中身はとても興味深く、壁一面の大きなホワイトボードが埋め尽くされるほど議論が湧き起こります。技術者一人ひとりのスキルや経験を背景に、自分では気づけないアイデアが次々に挙がり、より良いものが創り出される。あのプロジェクトで学んだノウハウは膨大にあり、今の自分の支えとなっています。厳しい局面でも、支え合えるメンバーがいて、孤独じゃないから乗り越えられました。あの時一緒にやったメンバーは今でも信頼し、尊敬し合える仲間であり、かけがえのない私の大切な財産です。」
プロジェクトの経験が、“普通の人”を“スペシャリスト”に育てる。フィナンシャルテクノロジーには、こんな経験をした曾ての“普通の人”が“スペシャリスト”=人財として底力となっている。

結果

技術も人も、進化に終わりはない、
次なるステージに向けて研究開発を開始。

2015年10月、新資金決済システムは無事リリース。総勢600名を超える巨大プロジェクトは成功を収めた。プロジェクトを経て、格段に成長を遂げたK.Jらは、すでに次なる課題を見据えている。
「今後、どんな技術が必要になってくるかを常に考えています。本番システムの安定稼働を担保しながら、システム改修や追加でどう新たな技術を組み合わせていくか、後進の育成も兼ねながら、現場でいろいろと意見を出し合っています。」
K.Jらが苦労して作り上げた今のシステムも永遠ではない。新たな技術による再構築の検討に着手する日が、近い未来に訪れることもあり得る。
「世界に目を向ければ、デジタル通貨の流通を認める法案が整備された国もあります。各国の金融市場の変化、中央銀行として必要になる対応、国内外の動向に留意しながら、自分なりにリサーチしています。」
技術も、人も、進化に終わりはない。今に満足せず、つねに“もっと良いもの”を提案できる技術者をK.Jは目指している。